Wednesday, July 18, 2007

低コレステロールが発病を増す疾患・・28

 高齢化と血中コレステロール、LDL-コレステロール、HDL-コレステロール、及び、BMIのまとめ・・その3


  ・・・LDL-コレステロール;・・その2

   ・心血管病との関係:

     動脈硬化性疾患の心筋梗塞を代表とする心血管病とLDL-コレステロール値高値との関係は、最も、重要視されています。

 大櫛陽一著「検査値と病気 間違いだらけの診断基準」(太田出版)のp.120に、日本人の糖尿病患者での冠動脈疾患の発症リスク率が、示されています。

  アメリカのNCEP ATP IIIと言う国立のコレステロール教育プログラムに基づいた、冠動脈疾患のリスクからの検討です。

  日本人の心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症率は、アメリカの三分の一であることから、我が国の患者に当てはめた場合の算出です。

  ・我が国の糖尿病患者の10年後の冠動脈疾患発症率予測;

             10%未満    10%以上~20%未満     

      男性・    92.5%         7.5%

      女性・    98.6%         1.4%


  ・NCEP ATPIII 2004年版に基づきリスク算出; 
           (喫煙、高血圧、低HDL-コレステロールの有無をチェック)

 冠動脈疾患リスク分類   低リスク  中程度リスク 中程度ハイリスク

      男性・        74.4%   18.1%     7.5%

      女性・        88.2%   10.4%     1.4%  

  ・NCEP ATPIII 2004年版による薬物治療開始基準;

     LDL-コレステロール値(mg/dl)  総コレステロール値(mg/dl)

・低リスク;       ≧190              ≧270

・中程度リスク;    ≧160              ≧235

・中程度ハイリスク  ≧130              ≧200

  以上の基準から判断しますと、我が国での糖尿病患者にあって、血中のLDL-コレステロール値を130mg/dl以下、総コレステロール値を200mg/dl以下にする必要があるのは、男性7.5%、女性1.4%となると判ります。

  我が国でのスタチン系薬剤を用いた脂質低下療法の代表例の臨床成績《「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」(日本動脈硬化学会)》では、心血管死亡の低下に有効性を認められた試験成績はありません。

 その結果は、多くの必要のない薬剤投与が成されたことを示しています。

 我が国の治療開始基準に問題があることが判ります。

 次に、本年「脂質代謝異常症」と病名が改められた、我が国の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」での「リスク別脂質管理目標値」を見てみます。

 (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・コレステロール値やLDL-コレステロール値の丸め値ではニードに答えられない」 です)

 (楽天、ミクシイでは「素肌美障害とコレステロール代謝」です)

 (はてな日記では『オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」』 です)

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