Tuesday, September 04, 2007

スクアレン(スクワレン)とコレステロール・・10

  •  コレステロール合成 & 代謝とスクアレン(スクワレン、suqualene)・・5・・スクアレンによる血中コレステロール値の上昇・・1・・血中総コレステロール値<180、LDL-コレステロール値<100は危険因子

     血中総コレステロール値(TCH,mg/dl)は、性別、年齢階層によって、大きな影響を受けることは、既に、このシリーズ「9」,「10」で取り上げたとおりです。

     しかし、TCHの正常域については、色々、問題となります。

     特に、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患危険因子と考えられる、年齢、性別に加えて、心血管性疾患、糖尿病、高血圧、脂質異常症や内蔵脂肪蓄積、喫煙などの有無によって、正常域も変わるのです

     しかし、この正常域をめぐって、西欧基準などの海外の基準のみならず、国内基準についても、確定はしておらず、変動をしています

     本年は、日本動脈硬化学会による基準は、2002年以来の改正を行いました。

     「高脂血症」の病名が、「脂質異常症」と代わり、TCHは、予防や診断基準からは、消されるほどの不安定な状況にあります。

     そうした状況にあって、アメリカやわが国などの疫学調査やスタチン系コレステロール低下薬による治療によって、ガン、脳出血、感染症、自殺・事故死などによる死亡率が上がるとの事実が積み重ねられています

     わが国にあっても、心筋梗塞などによる心血管死亡率も増加するとの試験結果が報告されています。

     こうした事実は、TCHで言えば、<200以下であり、取り分け、<180以下で明確となります。

     LDL-Cで言えば、<100となります。

     既に取り上げましたように、大櫛グループによる「コレステロール治療ガイドライン 2006.03」(検査値と病気 間違いだらけの診断基準、太田出版)では、虚血性心疾患や家族性高コレステロール血症があっても、TCH<180、LDL-C<100としないようにと基準値を設定しています。

     しかし、日本動脈硬化学会による基準では(動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年、協和企画)では、冠動脈疾患の既往のある人には、逆に、LDL-C<100と設定しています。

     その動脈硬化学会による協和企画の本に取り上げられています国内外の「大規模臨床試験」にあって、スタチン系薬剤投与治療によって、LDL-C<100すれば、逆に、心血管死亡率は低下させていないのです

     つまり、冠動脈疾患の既往のある人にとっても、大櫛グループ基準にあるように、TCH<180、LDL-C<100は、十分な根拠を持った基準と言えます。

     以上の事実を考慮すれば、TCH<180、LDL-C<100は危険信号との認識が必要だと思います(参照;Dr.BEAUT・ソフィーリッチ)。

     (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・高コレステロールによる心血管死亡を低下させる治療基準」を話題としています)

     (楽天、ミクシイでは「素肌美障害とコレステロール代謝・・ステロイドホルモン・・植物エストロゲン・・大豆イソフラボン・14」です)

     (はてな日記では『オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」・・24』です)

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