Friday, June 08, 2007

低コレステロールが発病の危険を増す疾患・・2

   ガン・・1・・血中総コレステロール値が、180mg/dlでは、ガン死が増す

 低コレステロールに伴なって、その発病の危険を増すのは、ガンなのです。

 血中総コレステロール値(TCH)が、200mg/dl 以下になるとガン死は増加を始めます。

 取り分け、TCHが180mg/dl如何になると有意差を持ってガン死の増加を見るとの報告は沢山あります。

 逆に、ガン死者は、TCHが高くなるほど減少するとの結果になっています。

 そうした事実は、コレステロールは、人の生命の基本単位となっている細胞膜の構成成分として25%を占めて、細胞膜の安定化に不可欠であり、細胞核の遺伝子発現にとって重要な役割を持っているのです。

 また、人の体内にあって、コレステロール合成系は、同時に、ドリコールやコエンザイムQ10の合成には不可欠であるのです。

 ドリコールは、細胞膜の表面を構成する糖タンパク質の合成にキーとなる役割を果たしています。

 つまり、それぞれの細胞の役割を決める重要な糖タンパク質の合成にかかわっているのです。

 細胞特性の代表として、免疫細胞や血液型なども、糖タンパク質が決めているのです。

 以上より、コレステロールとその代謝系が、如何に、生命規序を保つために重要かと判ります。

 そこで、まず、アメリカでのガン死とコレステロールについての報告から紹介します。

 アメリカ国立心血管研究所(NHLBI)の研究では、低コレステロールによって、肺ガン、呼吸器疾患、消化器疾患、外傷その他による死亡が増すとあります。

 また、アメリカのおよそ36万人を対象とした有名な疫学研究・MRFIT研究で、TCH192mg/dl以下で、ガン死や総死亡率が高くなることが報告され、脳出血と共に増加すると判っています。

 低コレステロールの男性では、ガンや脳出血、肺ガンや肺感染症などの肺疾患が増加するとの調査結果となっています

 また、低コレステロールの高齢女性では、肺ガンが多くなると報告されています。

 同様の傾向を示す報告は、ドイツでもなされているのです。

 ハワイの日系米国人を対象とした調査でも、TCHが180mg/dl以下のグループでは、270mg/dl以上のグループと比較した場合ガン死は、およそ2.3倍ほど増加したのです。

 次回は、日本人を対象とした報告を紹介します。

 (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子」を取り上げています)

 (楽天ブログ、ミクシィでは「ダイエットなどによる低コレステロールとなれば、何故に、素肌美障害となるか・・スクアレン(スクワレン)」を取り上げています )
 

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