コレステロール合成 & 代謝とスクアレン(スクワレン、suqualene)・・8・・スクアレン(スクワレン)による血中コレステロール値の上昇・・4・・スクアレン(スクワレン)摂取量と血中脂質成分との関係(TCH,LDL-C,HDLーC,TG)・その1
今回から、スクアレン(スクワレン)摂取によるTCH(血中総コレステロール値、mg/dl)、LDL-C(LDL-コレステロール値、mg/dl), HDL-C(HDL-コレステロール値、mg/dl), TG(トリグリセライド、中性脂肪、mg/dl)との関係を考え、検討してみます。
TCH,LDL-C,HDL-C,及び、TGとの関係は、Friedewald式と呼ばれる式で表され関係にあります。
但し、TGが、400mg/dl以上となると無理がありますので、それ以下の場合と考えておく必要があります。
Friedewald式は、以下の如くの関係にあります。
TCH=LDL-C+HDL-C+TG/5
それ故に、TCHの上昇は、LDL-C,HDL-C、及び、TGの上昇を伴なう可能性を持っています。
人が一日の内で必要とするコレステロール量は、食事に依存する量は、2~3割にすぎません。
それ故に、あまり、食事の影響は強くありません。
しかし、中性脂肪のTGは、食事の影響のみならず、運動量との関係も、強く影響します。
つまり、食事による摂取カロリー、運動などによる消費エネルギーとは深い関係にあります。
結局のところ、摂取カロリーが多くて、消費エネルギーが少なければ、余分、過剰となったTGは、内臓脂肪細胞を中心とした脂肪細胞に蓄積されるようになってしまうのです。
血中のTGが高くなるのも、下がったりして、変動が激しいのは、そうした理由があるからです。
TGは、内臓脂肪細胞の蓄積、腹囲の増加、肥満と深い関係にあることが理解できると思います。
メタボリックシンドローム(メタボリック症候群、代謝症候群)では、TGが腹囲、肥満との関係で、TCHやLDL-Cに代わって、注目を集めているのは、そうした背景があるからです。
動脈硬化性疾患の予防、診断、治療にとって、TCHやLDL-Cに代わり、アディボカイン(アディボサイトカイン)が、今や問題となる所以と言えます。
事実、メタボリックシンドローム(メタボリック症候群、代謝症候群)の診断基準には、同じ動脈硬化性疾患の予防や治療と関係しながら、TCHやLDL-Cは含まれてはいないのです。
脂質では、TGとHDL-Cが、予防や診断基準に含まれているだけなのです。
つまり、最早、動脈硬化性疾患の予防や治療には、血管内皮や内皮細胞とアディポカイン(アディポサイトカイン)の果たす役割やコントロールに移ったと言えるのです。
それ故に、今回の日本動脈硬化学会による改定たる、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版」では、病名の「高脂血症」は、「脂質異常症」と改められ、診断基準から、前回の2002年の時の参考値としてのレベルから、今だ、問題は残るとは言え、TCは削除されてしまったと言えると考えられるのです。
『脂質異常症』と言う病名は、今後、次第に、動脈硬化性疾患から次第に離れる予兆だと感じさせるものだと、私には思えるのです。
動脈硬化性疾患におけるTCHやLDL-Cの果たす役割は、初期の動脈硬化性疾患としての意味・役割から、その後期や最後段階に関係したと判ってきたのだと思います。
つまり、TCH,LDL-Cの動脈硬化性疾患の予防としての役割から、既に取り上げてきましたように、大櫛グループの「高コレステロール治療ガイドライン 2006.03」と言った方が、適切と言えるのです。
そして、TCH<180、 LDL-C<100と、心筋梗塞などの虚血性心疾患の既往がある人にも、その低下の危険性が設定されているのです。
次回に、スクアレン(スクワレン)摂取が、TCH上昇と同時に、LDL-C, HDL-C,TGにどのような影響を示すか検討してみましょう。
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・高コレステロールと心血管死亡率低下させる治療基準」を取り上げています)
(楽天、ミクシイでは、「素肌美障害とコレステロール・・ステロイドホルモン・・植物エストロゲン・・大豆イソフラボン・・骨との関係」 を話題としています)
(はてな日記では、『オタピー茶の湯; 日常茶飯お「こころ」・・わが国での喫茶文化、茶の湯文化の始まり、歴史』 についての話題です)
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