コレステロール合成 & 代謝系とスクアレン(スクワレン、squalene)・・5・・スクアレンで血中コレステロールが上昇する理由・1
スクアレン(スクワレン)が、アセチルーCoAから始まるコレステロール合成 & 代謝系にあって、ファルネシルピロリン酸から、スクアレン(スクワレン)が生成します。
そのスクアレン(スクワレン)は、7-デヒドロコレステロールを経て、コレステロールが合成されることになります。
既に、取り上げてきましたように、コレステロールの一日必要量の1~2グラムの内、食事由来は、300~500ミリグラムぐらいですので、経口的な摂取によるコレステロール値の血中上昇は、中性脂肪のようには行きません。
生体内のコレステロール合成は、前回述べましたように、皮膚の他にも、脳など、ほとんどの細胞内で行われていますが、7~8割は、肝臓での合成に依存しています。
それ故に、肝機能障害が著しい人や酒飲みの人には、低コレステロール血症の人が多くなります。
また、食事由来が少ないことから、ダイエット、低栄養や栄養バランスの悪い人でも、低コレステロールは起こり難いとも思えます。
しかし、血糖や中性脂肪の低下ほどは顕著ではありませんが、続けば、肝障害が無くても低コレステロール血症は誘発されることになります。
その理由は、以下の如くです。
ポイントは、アセチルーCoAから、コレステロール合成 & 代謝は進むからです。
既に、取り上げてきましたように、アセチル-CoAは、グルコース、脂肪酸、アミノ酸などから生成されます。
アセチルーCoAは、生体内で、エネルギーとして利用されるためには必須のATPの生産を、ミトコンドリヤで行うための開始成分でもあるのです。
そこで、お判りいただけると思うのですが、アセチルーCoA不足となるような体内栄養条件となれば、ATPのみならず、コレステロール合成 & 代謝系への供給不足が起こってしまうことになります。
アセチルーCoA供給不足は、糖質、脂質、タンパク質のように、エネルギー源、カロリー源となるような食事制限によって誘発されることになります。
糖分とタンパク分は、1グラム当たり、4キロカロリー、脂肪分は、9キロカロリーといわれるのは、それだけ、ATP産生に貢献しているのです。
その大部分は、酸素を必要とするミトコンドリア(糸球体)によって、アセチルーCoAから効率よく産生されています。
人間が、酸素を必要とするのは、ミトコンドリアでのATP産生に酸素を必要としているからだと言って良いぐらいなのです。
人が、カロリー制限したり、運動や仕事によって消耗すると体重減少となるのは、ATPを作るために、体内のカロリー成分となる脂肪、糖、筋肉などのタンパク質をする減らしてでも、何とか作ろうとするからなのだと理解できると思います。
何とか、アセチルーCoAを作り出そうとするのです。
そうなると、コレステロール合成 & 代謝系へ供給できるアセチルーCoAが減少するとなります。
そうなりますと、逆に、コレステロールは、その多くを体内合成に依存していますから、コレステロール不足を誘発することになります。
つまり、血中コレステロール値は、低下することになってしまうのです。
ここで、留意すべきは、生体内のコレステロール合成は、エネルギー産生に不可欠なATP合成に必要なアセチルーCoAを共同利用していることです。
人間は、生きるためには、多様で、特殊、複雑な機能を営む必要がありますが、必要不可欠な機構は、出来るだけ共通化した単純な系で行うようになっています。
その視点から、コレステロール合成 & 代謝系が、ATP産生と共通化したアセチルーCoAを介していることは、逆に、コレステロールが、如何に重要な役割を果たしているかを語るものでもあります。
低コレステロールが、ガン、脳出血、感性症、自殺・事故死の増加の誘引となることからも、その重要さが判ると言うことです。
既に、取り上げてきましたように、大櫛グループの「コレステロール治療のガイドライン 2006.03」で、例え、心筋梗塞や糖尿病などがあろうとも、血中総コレステロール値は、180mg/dl以下にしないように、LDL-コレステロール値は、100mg/dl以下にしないようにとの基準としていることは、理に適う基準だとなります(関連話題として、リンクとして紹介していますDr.BEAUT・ソフィーリッチを参照下さい)。
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・「海外の代表的なスタチンを用いた大規模臨床試験」と心血管死亡低下基準・・1」です)
(楽天、ミクシイでは、「素肌美障害とコレステロール代謝・・ステロイドホルモン・・植物エストロゲン・・大豆イソフラボン・9」です)
(はてな日記では、『オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」』です)
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