Monday, June 04, 2007

低コレステロール値を補うニードに答える・・14

日本人のLDL-コレステロール値と死亡率・・3
日本人の糖尿病患者とLDL-コレステロール値


 大櫛陽一著「検査値と病気 間違いだらけの診断基準」(太田出版)に、「大櫛陽一、糖尿病ではコレステロールをどこまで下げる必要があるか、性差と医療、3,223-230,2006」よりの紹介を行っています。

 それによりますと以下の如くです。

 男性では、血中のLDL-コレステロール値が、130~159mg/dlで、モットも、死亡率が低かったのです
 それに対応する総コレステロール値は、ダイタイにして200~235mg/dlに相当します。

 LDL-コレステロール値が、160mg/dl以上となりますと死亡率は上昇となります。

 取り分け、≧190mg/dlとなりますと急激な死亡率増加となりました。

 一方、LDL-コレステロール値が130mg/dl以下となっても、死亡率の増加を示しています。

 LDL-コレステロール値が100mg/dl以下では、死亡率の増加は強くなっています。

 女性については、LDL-コレステロール値と死亡率の関係は、ハッキリしませんでした

 LDL-コレステロール値が、≧190mg/dlで死亡率は最低を示し、次が、100~129mg/dl、160~189mg/dl順番となっています。

 一番死亡率が高かったのが、130~159mg/dlとなり、<100mg/dlと、ほとんど、その死亡率に差はありませんでした。

 以上の結果は、女性にあっては、LDL-コレステロール値と死亡率には、特別の関係なしとなります。

 以上の事実を踏まえて、大櫛グループによる「コレステロール治療ガイドライン」には、糖尿病患者にあってのLDL-コレステロール値は、以下の如くとなっています。

  非喫煙者 ;  男性では、100~180mg/dl,  女性では、100~190mg/dl

  喫煙者  ;  男性では、100~160mg/dl,  女性では、100~190mg/dl

 日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」では、男女差による相違は示していません。

 糖尿病に関する基準ではなくリスク数による基準となっています。

 そのリスクの程度から糖尿病についての想定です。

 中程度のリスク患者では、<140、高リスク患者では、<120とあります。

 冠動脈疾患の既往症がある人では、<100mg/dlとなっています。

 LDL-コレステロール値の基準については、従来の「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」と同じです。

 しかし、こうした基準によるスタチン系のコレステロール低下薬で「積極的脂質低下治療を行った代表的な臨床試験」として、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」のpp.42~43に紹介している成績結果では、肝心の「心血管死亡」には、「NS」(Not Significant)とあります。

 つまり、「心血管死」を減らすと言えるような治療効果は認められなかったと言うことです。

 我が国のスタチン系薬剤費は、3000億円に及ぶと言われています。

 こうしたお金を投与しても、「心血管死亡」を減らしていないと言うことは、その診療基準に問題があると示唆しています。

 もう少し、LDL-コレステロール値に対する診療基準をキチンと検討する必要があると思います。

 その意味で、大櫛グループのLDL-コレステロール値に対する基準に注目することが必要だと思いませんか。

 (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の予防と治療ガイドライン」を取り上げています)

 (楽天ブログ、ミクシィでは、 「ダイエットなどによる低コレステロールとなれば、何故に、素肌美障害となるか」をとりあげています)

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