脳卒中と低コレステロール・・その1
脳卒中には、脳梗塞と脳出血があります。
その内、脳出血は、既に紹介しましたように、低コレステロール血症で、その発症が増すとの事実は、良く知られたことです。
一方、脳梗塞については、コレステロールとのハッキリした関係は無いとの結果が多いようです。
何度も取り上げましたJーLIT研究では、血中コレステロール値が、180mg/dl以下では、一番死亡が少ないコレステロール値が220~239mg/dlの場合に比して、脳血管死は、3倍ほど増加しているとの結果でした。
浜崎智仁教授が、その著「コレステロールは高いほうが長生きする」(エール出版、2003年)で次のような興味ある指摘(p.115)をしています。
「昔、東北地方で脳卒中の発生が多かった原因として、高度の食塩摂取による高血圧と低蛋白/低脂肪食による血管の脆弱があげられた。
血清コレステロール値も低かったが、食事の改善とともに血清コレステロール値が上昇し、脳出血も減ってきた。」とあります。
当時、東北地方は、大変、貧しい人達が多くて、満足な食生活が出来なかった。
それ故に、カロリー成分としての糖質、脂質に加えて、ビタミン類、必須アミノ酸、必須脂肪酸などの必須成分の摂取が十分でなかったことは、推察できます。
多くの低コレステロール血症の人達が脳出血の犠牲者となったに相違ありません。
こうした事実は、コレステロールが、動脈血管の構造を保つためには、如何に大切かを示すものだと思います。
今日では、誤ったダイエット、偏食等の異栄養が、前述の低カロリーや必須栄養分の欠乏を誘発して、ワザワザ、脆弱な血管状態を引き起こしているのでは。
私たちが、健全に生きるためには、多様な栄養素が必要で、目線を近くに置いた食生活は危険だとになります。
次回に、若者に多い脳低動脈解離の危険因子と低コレステロールについてとします。
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・テロメア長と冠動脈硬化疾患」を取り上げています)
(楽天ブログ、ミクシイでは、「素肌美障害とコレステロール代謝・・ビタミンD3」を取り上げています)
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