Tuesday, June 12, 2007

低コレステロールが発病を増す疾患・・5

  ガン・・4・・日本人と低コレステロールによるガン死増加


 前回の続きとして、日本人の疫学調査による、血中総コレステロール値とガン死の増加についてとします。

  ・ 大阪府八尾市の住民およそ1万人の11年間の追跡調査です。

   調査開始から始めの2年間の死亡者は除いてあります。

  総死亡は、血中総コレステロール値(TCH,mg/dl)240~279で最低でした。

  ガン死は、TCH280以上で最低でした。

  ガン死は、TCH240~279を1とした倍率で検討しますと以下の如くでした。

  男性では、TCH160~199で2倍となり、160以下に低下しますと2.7倍と増加しました。

  女性では、ほとんど変化なしとの結果でした。

  つまり、低コレステロールによるガン死の増加は、男性に顕著と言うことです。

  前回のNIPPON DATA80での結果と同様の傾向を示しています。

  男女合計としてみますと、ガン死は、TCHが160以下となりますと1.8倍ほどの増加と言うことです。

 ・ 茨城県の大規模調査です。

   40~79歳までの脳卒中に罹ったことのある人は除いた、男性32,705人、女性63,959人の合計96,664人を対象とした5年2ヶ月間の追跡調査です。

  ガン死は、TCH240以上で、最低となり、TCH220~239を1としますと、TCH160~179で1.5倍に増加したのです。
  TCH160以下となりますと、更に増加して、2.3倍ほどの増加となりました。

 今回のシリーズで取り上げてきました国内外のガン死と血中総コレステロール値との関係をまとめますと以下の如くとなります。

   ガン死は、TCHが低めの200以下で増加傾向となり、180以下となれば有意差を持って、増加するとなります。

  逆に、ガン死は、TCHが増せば、低下するとの結果だと判ります。

 (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・6」を取り上げています)

 (楽天ブログ、ミクシイでは「ダイエットなどによる低コレステロールとなれば、何故に、美肌障害となるか・・スクアレン(スクワラン)・その4」を取り上げています)

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