Friday, June 29, 2007

低コレステロールと発病が増す疾患・・17

  高齢化と低コレステロール・・その1

 低コレステロール血症によって、ガン、脳出血、感染症、自殺・事故死などが増すことは、良く知られたことです

 Neaton,JDらによる論文(Arch. Intern. Med.,152,1490~1500,1995)では、ガン、脳出血、肺疾患などの感染症が多くなるとあります。

 それ以前の調査、研究によって、、ハワイ在住の日系人においても同様の傾向が認められています。
 
 また、日系ハワイの高齢者(70歳以上)にあっての調査では、低コレステロールを伴なった高齢者は、慢性感染症や虚弱者の増加を見るとあります。

 低コレステロールが先か、結果として、低コレステロール血症になったかを考慮した検討がなされています。

 いずれの場合もあるのですが、いずれにしましても、高齢者にあっては、低コレステロールは、死亡率の増加を伴なうことは、間違いのないことと言えます

 我が国にあっても、低コレステロールに伴なった結核を含む肺感染症を代表として、感染症死は、増加するのです。

 高齢者にあっての低コレステロールによる障害では、ガン、脳出血、感染症に加えて、再生力や抵抗力の低下に加えて、既に散り上げてきましたように、脳神経系の活力を低下させていると考えられるのです。

 既に、何度も述べてきましたように、脳神経系は、グルコースと共に、コレステロールを必要とするレベルは、他の臓器や組織より、強いのです

 それ故に、低コレステロールは、めまい、シビレなどの神経障害やアルツハイマー病などのように認知能力の低下しやすい原因となると考えられています。

 私の経験では、高齢で低コレステロール血症が認める場合では、統合的な意識、意欲、活力の低下を招いている人が多いように思えるのです

 また、コレステロールは、細胞膜、細胞核やミトコンドリアなどの細胞小器官、皮膚などの組織にとっての安定化や再生に不可欠な役割を持っています。

 それ故に、寝たきりになった人でのと床ずれは、栄養障害性潰瘍と言われますように、その発生、修復に、栄養条件は大切な条件となります。

 私は、床ずれの発生予防や修復には、低コレステロールの改善は、重要だと観察しています。

 機会があれば、コレステロール値改善による効果を、キチンと検討したいと考えています。

 以上、高齢化と低コレステロールについては、今後の臨床的な検討が必要なレベルと言えます

 高齢者の男女にあっての、血中総コレステロール値、取り分け、低コレステロール血症者の分布と特徴について、検討してみましょう。

 (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・BMI/肥満・・その4」を取り上げています)

 (楽天ブログ、ミクシイでは「素肌美障害とコレステロール代謝・・ビタミンD・・その6」を取り上げています)

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