Wednesday, June 13, 2007

低コレステロールが発病を増す疾患・・6

     脳出血・・1


  既に紹介していますように、アメリカの36万人に及ぶ人達を対象としたMRFIT疫学研究で、血中総コレステロール値が、192mg/dl以下になると、総死亡やガン死が増すことが判っています。

 加えて、脳出血死が、感染症死と共に増すことが明らかとなっています

 我が国でも、同様の傾向が報告されていますので、紹介したいと思います。

 ・ J-LIT研究 ; 既に紹介していますように、スタチン系コレステロール低下薬投与による、心筋梗塞死の減少を期待した臨床試験です。

  心筋梗塞死は、血中総コレステロール値(TCH、mg/dl)が、200~219最低でしたが、総死亡は、220~239だったのです。

  つまり、我が国で、TCHが正常値が220までと想定されているより高い220~239領域で、死ぬ危険性は減少しています。

   しかも、今回話題としています、脳血管死の最低領域のTCHは、220~239でした。

 TCHが、200以下に低下していきますと次第に、その死亡率は上昇に転ずるのです。

 取り分け、TCHが、180以下となりますと、その死亡の危険は、二倍以上も増しました

 には、全身のコレステロール量の内、四分の一を占めています。

 つまり、脳神経系は、コレステロールを多く必要とすると同時に、血管を丈夫で、安定に保つために重要な役割を果たしていることを示しています。

  今や、脳外科医の世界では、「低コレステロールは脳出血を増す」は、常識となっているのです。

  低コレステロールに伴なった、脳出血死の増加は、他の疫学調査でも明らかになっていますので、次回に紹介します。

 (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・7」を取り上げています)

 (楽天ブログ、ミクシイでは「トッピクス!!・・1・・【コレステロール 脳の発達に必須】と日経新聞が論文紹介」を取り上げています)

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