高齢化と血中コレステロール値、LDL-コレステロール値、HDL-コレステロール値、及び、BMIのまとめ・・その8
・・・HDL-コレステロール値の基準値・・1
HDLは、High Density Lipoproteinの省略語で、LDLに比して、脂質成分の占める割合が低下してたために、比重が増加したリポプロテインなのです。
血管などの組織、臓器から、必要のなくなったコレステロールなどを回収して、肝臓に運ぶ役割を担っています。
動脈硬化との関連では、動脈の内側にアテロームと呼ぶコレステロールが蓄積して形成され無いように、余分のコレステロールを回収する役割を担います。
その点に注目して、一般に、HDL-コレステロールを、善玉コレステロールと呼ばれています。
如何にも、単一思考的な、日本的命名だと思います。
それに対して、必要な臓器や組織にコレステロールの運び役を担う、LDL-コレステロールを悪玉コレステロールと呼んでいます。
しかしながら、いずれにあっても、生体内での、コレステロールの運び屋として、その役割は、善玉、悪玉と、単純に、良いもの、悪いものとの理解は正しくありません。
それ故に、HDLーコレステロールは、多いのが良く、LDLーコレステロールは、少ない方が良いと言って、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率は、寿命の長短などの予後を予測するのも、簡単ではないのです。
LDL-コレステロール値のみならず、HDL-コレステロール値の基準値を定めるのも、容易ではないのです。
既に、大櫛陽一本(太田出版)に取り上げられています、HDL-コレステロール値と五年死亡率について紹介しました。
男性(平均年齢が65.5歳)にあっては、HDL-コレステロール値が40~59mg/dlで、死亡率は最低を示し、90mg/dl以上の高値では、死亡率が有意に増加してしまいます。
逆に、39mg/dl以下となっても、死亡率は上昇します。
一方、女性(均年齢62.6歳)では、死亡率が最低を示すのは、HDL-コレステロール値が60~79mg/dlです。
更に、男性とは異なり、女性の場合、80~99mg/dlのレベルに、上昇となっても、死亡率の増加はありません。
また、女性でのHDL-コレステロール値の低下は、男性同様に、死亡率は増すのです。
女性の場合、HDL-コレステロール値が、59mg/dl以下に低下すると、有意の差を示すような死亡率の増加となるのです。
取り分け、39mg/dl以下では、2倍以上、3倍に及ぶ死亡率の増加となるのです。
まとめますと、男性では、HDL-コレステロールは、低くても、高くても、死亡率が増加するのは、臓器や組織にあって、運び屋として回収すべきコレステロールが、適正に分布していることの大切さを示しているとなります。
女性にあっては、更年期以後のコレステロール値、LDL-コレステロール値のいずれが上昇しても、死亡率の上昇食みとめられていません。
HDL-コレステロール値が上昇しても、同様に、死亡率の上昇とならない事実は、女性には、女性ホルモンのバランスも含めた、適正なコレステロール分布とする機序が働いていると予想させます。
いづれにしても、善玉、悪玉と言った、一元的な理解は、危険だと言うことです。
安易な情報に惑わされるのは、止しましょう。
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、「動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・スタチン系コレステロール低下薬と心血管死亡・・海外の臨床成績」です)
(楽天、ミクシイでは、 「素肌美障害とコレステロール代謝・・ステロイドホルモン・・その4」です)
(はてな日記では、 『オタピー茶の湯;日常茶飯の「こころ」・・13』です)
No comments:
Post a Comment