何故に、高脂血症の病名は消え、血中コレステロール値は
診療指針から削除されたか・・2・・
血中コレステロール値と死亡率
血中総コレステロール値については、現在、我が国では、事実誤認に基づくと言える国民的な“高コレステロール恐怖症”と言って良い状況にあります。
我が国の心筋梗塞による死亡は、欧米に比して、1/2~1/10に過ぎません。
それなのに、“赤ワインは心臓病に良い”とフランスのように5倍ほど多いような国のワイン販売商法のキャッチコピィーといってよいような言葉に群がって、 “アルコールを飲む口実”として利用されているように思えてきます。
現在、日本人の心疾患の死亡率は1970年以後に入って低下傾向にあります。
脳血管疾患は1965年前後にかけてピークとなり、その後は急速に減り、今日でも低下傾向となっています。
一方、日本人の食生活は西欧化が進んで、1946年(昭和21年)から2004年(平成16年)にかけての58年間で、脂質摂取量は、14.7グラムから54.1グラムに増えています(3.7倍)。
国民的な総コレステロール値についての調査は、1997年(平成9年)から2004年(平成16年)にかけて報告されています。
男性の平均では、198.6mg/dlから、199.1mg/dl 。
女性の平均では、205.1mg/dlから207.1mg/dl。
つまり、特別に高コレステロール血症の人は増加しているとはいえません。
また、血中総コレステロール値が、欧米の正常範囲を超える240mg/dl以上の推移では、男性では1997年が10.5%、2004年では12.1%です。
女性では、1997年が17.4%、2004年では17.8%でした。
以上の事実は、脂質摂取量の増加が、心疾患死を増やしているとは言えず、血中コレステロール値は、十分な期間のデータとはいえませんが、変わっているとはいえません。
一日のコレステロール必要量の内、食物から摂取する依存は20%に過ぎませんから、脂質摂取量はほとんど影響しないのも当然です。
(楽天ブログ、ミクシに「低コレステロール血症の原因となる疾患・・1」を書いています)
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチに「高コレステロール治療ガイドライン・・1」を書いています)
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