何故に、高脂血症の病名は消え、
血中コレステロール値は診断基準から削除されたか・・8・・
日本の血中コレステロール値と死亡率・・5
日本動脈硬化学会による編集本(2007年4月)・「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」にあっての、今回の血中総コレステロール(TC)値を削除して、LDL-C(LDL-コレステロール)値を定めた理由は、次のように記されています(pp.12~13)。
「TC値の上昇に伴ない、冠動脈疾患発症率・死亡率は連続的に上昇し、明確な閾値は認められないので、高TC血症の境界を設定することは困難と思われる」からなのだそうです。
それならば、今までは、「何故に、国民的な “高コレステロール血症” の「基準値」を、「冠動脈疾患」が、著しく多い、欧米より低いTC値220mg/dlと定めてきたのか」と問いたくもなります。
次に、「高LDL-C血症」の基準値を≧140mg/dlと定めたかは、以下の如くとなっています。
「米国のガイドラインであるNCEPにおいては、高コレステロール血症の基準をMRFITでのTC値と冠動脈疾患による死亡率の関係から、相対危険度がTC値240mg/dlのリスクに比べ2倍となる240mg/dlとしている。
以上のことを考慮して、冠動脈疾患の予防と治療の立場から見た日本人のスクリーニング基準値としてNIPPON DATA80で示された相対危険度がTC値160~179mg/dlに対して、約1.5倍となるTC値220mg/dlを採用し、この値に相当するLDL-C値140mg/dlを高LDL-C血症の基準値と定めた。」のです。
これでは、高TC値の境界を決め難いと削除しておきながら、LDL-C値を決めるに当たって、TC値220mg/dl採用しています。
これでは、「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」のTC値220mg/dl表示は、今や、ガン死などの総死亡率の上昇に、表示するのは耐え難くなって、削除し、実質的には、LDL-Cは据え置いた「脂質異常症」の誕生と言われかねません。
私は、「血中脂質値」と「総死亡の危険」に加えて、同じ動脈硬化性疾患の予防を目的とする「メタボリックシンドローム(代謝症候群、メタボリック症候群》」との整合性ある統一基準とすべきだと思います。
また、この時代、色々、勘ぐられないように、「メタボリックシンドローム」の診断基準を決めたように、関連領域の学会の人達による合同委員会でも編成して決めた方が健全と思うのですが。
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、本日、「高コレステロール治療のガイドライン・・8」です)
(楽天ブログ、ミクシィでは、本日、「低コレステロール値の原因となる疾患・・ダイエット & 栄養アンバランスなどによる低栄養や異栄養症」です)
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