何故に、高脂血症の病名は消え、
血中コレステロール値は診断基準から削除されたか・・9・・
日本の血中コレステロール値と死亡率・・6
日本動脈硬化学会血中コレステロールによる動脈硬化性疾患の診療上の基準とされてきた、1997年の「高脂血症診療ガイドライン」や2002年の「動脈性疾患診療ガイドライン」にしたがって、一次予防、二次予防として、血中コレステロールの値のみならず、LDL-コレステロールや中性脂肪を低下させる臨床試験が行われてります。
その結果が、今回の日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」(協和企画)に掲載されています。
二回にわたって、本日及び次回の「Dr.BEAUT・ソフィーリッチ」の「高コレステロール治療ガイドライン」で、そのデータを取り上げます。
一次予防にあっても、二次予防にあっても、肝心の心血管死亡の低下率%に有効性を認めていません。
また、その他の疾患を含めた総死亡率%の低下に意味なしとなっています。
つまり、スタチン系薬剤を投与する意味が、「コストー有益性」があるとはいえないのです。
それでは、今回の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」の病名を「脂質異常症』と改め、「コレステロール値」を削除した『診療指針』で、意味ある改定が成されたかとなります。
今までの二度の改定が、自らの出版本「日本動脈性疾患予防ガイドライン2007年版」のページ40~43に取り上げているような結果を踏まえた改定となっていなければならないと思うのです。
しかしながら、前回の改定で、既に、血中コレステロール値の基準は、定め難く、参考値としています。
それを今回は、『コレステロール値』は、参考値としても削除して『病名』変更による改定となったのです。
ところが、実際の改定は、コレステロールを除いた他のLDL-コレステロール値、HDL-コレステロール値及び中性脂肪値(トリグリセライド値)は同じ基準なのです。
そして、一次予防には、検査値が異常となったら、即、スタチン系薬剤投与などの治療ではなく、「まず、生活習慣の改善を行った後、薬物治療の適応を考慮する」と『治療の方針の原則』に付け加えられ他のです。
また、二次予防では、「生活習慣の改善と共に、薬物治療を考慮する」となったのです。
しかしながら、コレステロール値を削除して、LDL-コレステロール値を据え置いて、実態は変わっていないと言えます。
前回述べましたように、日本動脈硬化学会だけによる改定では、「心血管死亡」のみならず、ガン死等も含めた「総死亡」の抑制とはならない“オタク思考”の改定ばかりとなりかねないと思えてなりませんが、皆さん如何でしょう。
(Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、「我が国の代表的なスタチン系薬剤による大規模臨床試験・・一次予防」について書いています)
(楽天ブログ、ミクシィには、「低コレステロールとなる低栄養及び異栄養症・・精神不安」について書いています)
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